「医業類似行為」法的な資格はいる?いらない?
皆さまは 「医業類似行為」というものが何を表し、 どのような種類があるのかをご存じでしょうか? 本来、医師の独占業務である医業に類似する行為を、 業として反復して行うことを医業類似行為といいます。
「医業類似行為」法的な資格はいる?いらない?
こんにちは。
「鍼灸・接骨院 法令」コラム担当の池田です。
皆さまは
「医業類似行為」というものが何を表し、
どのような種類があるのかをご存じでしょうか?
本来、医師の独占業務である医業に類似する行為を、
業として反復して行うことを医業類似行為といいます。
この医業類似行為には、
「法的な資格制度があるもの」と
「法的な資格制度がないもの」の2種類に分けられます。
一つ目の
「法的な資格制度があるもの」は、
まさに皆さまに関連する柔道整復師法や
あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師等に関する法律(以下、あはき法)で定められたものを指します。
あはき法
第1条及び第12条では
あん摩マッサージ、はり、きゅう、および柔道整復以外の
医業類似行為を業としてはならないと規定されています。
<参照>
http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=322AC0000000217_20160401&openerCode=1
平成3年の厚生労働省通知では
柔道整復は、あん摩マッサージ指圧、はり、きゅうと並んで
医業類似行為の一つとされています。
<参照>
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html
このように
柔整師・鍼灸師が行う施術は
法律で認められた医業類似行為になります。
では
二つ目の
「法的な制度のないもの」に関してはどうでしょうか。
法的な制度のないもの
厚生労働省は
平成23年の「国民の皆さまの声」に対する回答で、
医業類似行為とは、あん摩、はり、きゅう、柔道整復といった
法定の行為4種と、カイロプラクティックや整体のような、
法定の行為以外の民間療法を含む概念であると回答しています。
<参照>
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000011dm5-img/2r98520000011dps.pdf
このように
法定の行為以外の民間療法というのが
法的な制度のない医業類似行為にあたります。
では、どの範囲までが医業類似行為なのでしょうか?
法律で明確に定義はされていませんが、
裁判等の判例により
「医業類似行為とは、疾病の治療又は保健の目的でする行為であって、
医師や法令で資格の認められた者が、その業としてする行為以外のもの」とされています。
従って
疾病の治療又は保健の目的でする行為である、
整体やカイロプラクティック、アロマセラピー、電気療法なども全て
医療類似行為にあたるという事です。
では、何をやってもいいのでしょうか?
厚生省の通知では
「施術が医学的観点から少しでも人体に危害を及ぼすおそれがあれば、人の健康に害を及ぼす恐れがあるものとして禁止処罰の対象となる」とされています。
資格制度のない施術者による医業類似行為は様々な形態で広く利用されています。
国民生活センターではそれらによる重症事例も公表しており、
一定以上の安全性を担保する為のガイドライン作成が必要であると提起しています。
<参照>
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20120802_1.html
国家資格者による医療類似行為を受けて危害が発生したというケースも少なからずあります。危害が起きた場合にはすぐさま医療機関への受診を勧める対応が求められています。
日々、患者様に行っている施術や
今後、新たに導入しようとしているメニューが、
本当に患者様に危害を与えることがないものか、
再考していただければと思います。
全ては患者様の安全を第一に。
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