【議論】
○施術者側
はり・きゅう、マッサージ療養費の利用が増えてきている中で、審査のメンバーにはり・きゅう、マッサージ関係者が入っていてもいいのではないか。専門家がいないことは残念であるので、配慮願いたい。
○全国健康保険協会
はり・きゅう、あん摩マッサージ療養費は通常療養費と同様に扱っていて、まずは保険者として中身を確認し、支給決定をするということになるのではないかと思う。特段、その中で関係者を入れて審査をするということは求められていないと考える。柔道整復の場合には、審査会ということで、三者構成で審査会を設けるようにと国から指示があるので、特別な対応として行っているということだと思う。
○千葉県国民健康保険団体連合会
私どもは療養費についてははり・きゅう以外もある。海外療養費であったり、一般診療報酬であったり・・・ということから、はり・きゅうの専門の先生については審査メンバーには入れていない。
○施術者側
あはき師については監督権限がない。私どもとしては院も十分に監査できる体制をつくっていただきたいと考えているので、検討いただきたい。
○近畿厚生局
個人の意見としてではあるが、人員を増やせばできるかという話もあるが、請求内容を知らない中で請求されれば傾向的には人が増えてもどうかな・・・という思いはあるところだ。
2.受領委任制度の検討
【議論】
○施術者側
大切なことは国民のためが第一で、国民にとって不幸になってはならないことだと思う。一人暮らしの後期高齢者の患者さんも受け持っているが、施術だけではなく会話を求められることもある。初めての方は認知症やうつ病の方も多く、施術頻度を高め、会話を含めていくほど、だんだん軽くなる傾向もある。患者さんの苦痛を和らげることが第一で施術の質の向上が最も大切であると思っている。健康保険法にもとづいて患者さんファーストであるべきだと思う。今後ぜひ患者さんから見たとりまとめをお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
○施術者側
受領委任契約、いわゆる柔道整復師に代表される受領委任契約の中では、患者さんが施術を受けた際にいわゆる一部負担金にあたる額を施術所に支払って、残りの一部負担金額をのぞいた額を施術所が請求している。いわゆる現物給付に近い形になっている。それに対しての代理受領、我々が6~10割はやっていると言われる代理受領は、施術を行った際に患者さんがかかった施術費用の10割を施術所に支払って、施術者、ないしは第三者が患者さんに代わって請求する。そして保険者から支払を受けた施術者ないしは第三者が患者さんに償還払いするというのが原則になっているはず。ただ、実態としては一時的ではあれ、患者さんが施術料を全額支払わなければならないということがある。患者さんの負担軽減のため、一部負担金相当額だけお預かりして請求をするということが運用上行われているということは、厚労省でも認識されていると聞いた。
昨今、患者さんは全額を払っていないということを以って、療養費の支払いを拒否されるケースも出てきており、患者さん、被保険者さんの利便性、患者さんの利益を損なうということが実態としてある。現状、受領委任に近い形を事務的な流れとしてとっているのであれば、指導監督が整備される、罰則が整備される、受領委任制度の導入を強く希望したいと思う。
○保険者側
柔道整復師の受領委任で何が起きているかを柔道整復療養費検討専門委員会で聞かれたということだった。指導監督権限の甲斐もなく、権限は無視されている。極端な例ではあるだろうが、こういうものが出てきて否認もできない。あん摩マッサージ指圧の施術者の意見もよくわかるが、まず受領委任制度で何が実際に起きているかがわかったのだから、まずそこをどうするかを決めないと、それをめちゃくちゃなままで導入しても全く意味がない。全く手順が間違えているのではないか。
○保険者側
この受領委任の問題点とか、健康保険の本質が目に見えてきたので、今やっている柔整の受領委任制度をやめられるかというと今までの経緯でやめられないだろうという部分もある。今柔整の中にある受領委任の問題点をクリアにするにはどうすればよいかがファーストステップとしてはあるのではないかと思う。これで我々も納得できる。これで受領委任の問題はなくなったと確認できて、目に見える化されたら、あはきにどうするかという議論が初めてできる。
【参考】
第9回 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会 議事