接骨院(整骨院)・鍼灸院と介護事業
景気の低迷が続くなか、しっかりした経営方針、営業戦略、人材育成、施術・サービスを行っているところが勝ち残り、そうでないところは淘汰されています。今回は、接骨院(整骨院)・鍼灸院が介護を取り入れることによって、「いかに地域から支持を得て集客を拡大していくことができるか」について特集してみました。
超高齢化にともない「整骨院と 介護連動型ステーション」のニー ズが増えている。
まず、接骨院(整骨院)・鍼灸院業界と介護事業業界がどのようになっているのか、現状をみてみましょう。
現在、接骨院(整骨院)・鍼灸院は全国に約4万件あるといわれ、コンビニや歯科医院と同様に数のうえでは既に飽和状態にあり、淘汰の時代に入っています。人口減少の傾向が次第に強まるなか、今後は業界の現状をよく把握し、数字に強い攻めの経営に転じられる院だけが残っていくものと思われます。
特に接骨院(整骨院)・鍼灸院は、モノを売るのではなく、人の手によるサービス業ですので、上手、下手だけではなく、地域から支持され、患者様から選ばれたところが繁盛しています。自分たちがやりたいことをやって繁盛する時代は終わり、院内改革をして、積極的に患者様を取り込むことが求められる時代になってきているといえます。
一方介護事業業界は、人口減少時代に入っても老齢人口は年々増えていくわけですから、マーケットスケールは拡大しています。
2000年に介護保険制度がスタートし、介護事業の有料化が始まったことで、2010年段階で約20兆円の市場規模を持つといわれています。これは1億円の売り上げ規模の会社なら20万社、10億円では2万社が成立可能となる規模です。
この市場を「導入期→成長期→安定期→衰退期」という流れのなかでみていくと、現在は団塊の世代が老齢期に入りつつあり、これからは成長期に向かうと見られています。さらにこの人たちが70歳に達する時期になると、介護事業を利用する比率はぐんと大きくなります。
しかし、この介護事業業界にもさまざまな業界からの参入が増え、接骨院(整骨院)・鍼灸院業界同様、サービスの質や経営内容によって淘汰されていくものと見られています。とはいえ、接骨院(整骨院)・鍼灸院というポジションを活かすことにより、他の業種から参入するより成功するチャンスは大きいといえます。
接骨院(整骨院)・鍼灸院の先生方は柔道整復師という国家資格を持ち、接骨院(整骨院)・鍼灸院運営を通して保険の運用に携わっています。一方、介護事業では介護保険を運用する必要があり、また地域医療として地域に根ざした活動をしているので、認知度や見込み客、あるいは、ヘルパーさんなど従業員になる方を多く抱えている可能性があります。実は、接骨院(整骨院)・鍼灸院を活用した介護事業は、患者様に手厚いサービスが提供できたり、信頼を得ることができるのです。
介護ビジネスのスタイル。 併設で生まれるメリットは、 「サービス範囲の拡大」「人材の 有効活用」「収益性の向上」
通常のモノを売る方法とは違い、介護の世界では例えば飛び込み営業をいくら繰り返しても成果は得られません。利用者はどこにいるのでしょうか。それは、病院をはじめ老人福祉施設、ヘルパー、民生委員などの皆さんがご存じです。そういった方々とネットワークを築いておけば、そこから紹介がくるのです。
地域のなかで紹介のネットワークをいかにして築くのか、それが大きなポイントとなります。医療と介護は地域で連動して行われなければ、十分な医療サービスや介護事業は提供できません。そのなかに接骨院(整骨院)・鍼灸院業務も加わっていくことが望ましい方向だと思います。機能回復訓練指導員として、院に介護という事業を加える事により、医療保険請求の他に介護保険+ 支援費などが新たな財源として加えられます。
また、介護事業にはデイサービスとともに訪問介護のサービスがあります。この訪問介護分野のサービスは、事業を始めるにあたって初期の投資額が少なく済み、参入する際には頭に入れておきたいポイントです。もう一つのポイントとして、優秀な人材の確保ということを考える必要があります。先を見越して介護事業を取り込むことで、先見性と経営の堅実さという魅力を院に加えることができます。それをアピールすることにより、優秀なスタッフを集め、彼らがさらに患者様から信頼を勝ち得て、ファンを増やし、経営の安定に貢献するという好循環が生まれるのです。
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