平成30年4月23日13時より第14回社会保障審議会医療保険部会 柔道整復療養費検討専門委員会(以下、検討専門委員会とする)が、グランドアーク半蔵門 富士(東)(4階)で学習院大学経済学部教授の遠藤久夫氏を座長として開催され、柔道整復療養費の専門委員会「議論の整理」に基づく諸課題の検討が行われるとともに、平成30年度柔道整復療養費改定の内容が承認されました。
【議題】
・柔道整復療養費の専門委員会「議論の整理」に基づく諸課題の検討(案)
・柔道整復療養費の改定について(案)
●柔道整復療養費検討専門委員会の議論の整理に係る検討(案)
(前回から変更のあるものとして議題に上がった項目)
◆「亜急性」の文言の見直し
[改正案]
第1 通則
5 療養費の支給対象となる負傷は、外傷性が明らかな骨折、脱臼、打撲及び捻挫であり、内科的原因による疾患は含まれないこと。
なお、介達外力による筋、腱の断裂(いわゆる肉ばなれをいい、挫傷を伴う場合もある。)については、第5の3の(5)により算定して差し支えないこと。
また、外傷性とは、関節等の可動域を超えた捻れや外力によって身体の組織が損傷を受けた状態を示すものであり、いずれの負傷も、身体の組織の損傷の状態が慢性に至っていないものであること。
(注)負傷の原因は、いつ、どこで、どうして負傷したかを施術録に記載しなければならないこと。
◆施術・請求内容の確認
(1)患者による施術・請求内容の確認
患者から一部負担金の支払いを受けるときは、正当な理由がない限り、領収証を無
償で交付する。患者から求められたときは、一部負担金の算定の基礎となった項目
ごとに記載した明細書を交付する。(現行どおり)
(2)保険者等が資料提示及び閲覧を求める権限(平成29年10月~)
施術管理者に対して領収証の発行履歴や来院簿その他通院の履歴が分かる資料の提示及び閲覧を求めることができる。
(3)患者が施術・請求内容を確認する取組の実施を検討(平成31年中の実施に向けて)
患者が前月分の請求後に来院した場合、前月の支給申請書の「写し」又は明細書を、患者又は家族に交付するなどの方法。
◆施術管理者について研修受講や実務経験を要件とする仕組みの導入
実務経験の期間を3年とする。
病院、診療所(指定保険医療機関)での従事期間について、最長2年まで実務経験の期間として算入 することを認める。残り1年以上は施術所における実務経験を求める。
※実務経験の期間を2年とする間は最長1年まで。
◆電子請求に係る「モデル事業」の実施
一部保険者、一部施術者に対する実態調査を開始。
今後、請求の電子化、審査基準の明確化などの状況も踏まえながら、審査支払機関での統一的な審査などについて平成30年度から検討。
◆不適正な広告の是正
柔道整復の広告について、ガイドラインの作成を検討し、ガイドラインに基づき、不適正な広告を掲げている施術所への指導を徹底する。
※平成30年度にガイドライン作成を含む広告に関する検討会を開催予定(第1回を5月10日に開催予定)。
◆支給申請書における負傷原因の記載を1部位から記載すること
負傷原因の1部位目からの記載について、柔整審査会の権限の強化や重点的な審査の実施状況を確認しながら、その必要性について検討を継続。
◆問題のある患者に対し、保険者において受領委任払いではなく、償還払いしか認めない権限を与えること
あはき療養費について、長期・頻回の施術に関する同様の仕組みを検討しており、その検討状況を踏まえながら、検討を継続。
●柔道整復療養費の改定について(案)
1.改定率 0.32%
平成30年度における柔道整復療養費の改定率について、診療報酬のうち医科の改定率等を踏まえ、政府において決定したもの
(参考)今回の診療報酬改定における医科の改定率 0.63%
2.基本的な考え方
療養費の料金改定については、これまでの適正化の流れを踏まえつつ、適正な請求を行う施術者が正当に評価されるよう改定を行う
3.改定の内容
○再検料の引き上げ
○骨折・不全骨折・脱臼に係る柔道整復運動後療料の新設
○金属副子等加算の包括化
○金属副子等加算の2回目、3回目の新設(取り替えが必要なもの)
【改定案】 現行 改定後
再検料 320円 400円
柔道整復運動後療料
(骨折・不全骨折・脱臼) - 310円
金属副子等加算(大型) 1,030円
950円
金属副子等加算(中型) 910円
金属副子等加算(小型) 680円
○柔道整復運動後療料について
・運動機能の回復を目的とした各種運動により、1回20分程度、柔道整復の一環としての運動による後療を実施した場合に算定
・1週間に1回程度、1か月(歴月)に5回を限度とし、後療料の加算として算定
4.施工期日
平成30年6月1日