慢性痛には鎮痛薬が効かないのか
関節痛や炎症の痛みを和らげるための手段として、患者さまが一番に思いつくのは、やはり「鎮痛薬」ではないでしょうか。すでに使用している患者さまもおられると思いますが、「市販の痛み止めを使っても効かない」という声もよく聞きます。痛みを抑えるはずの鎮痛薬が効かないのはなぜか。それは、痛みのメカニズムと鎮痛薬の作用機序に関係があります。
目次
痛みの発生メカニズム
NSAIDsの作用機序
アセトアミノフェンの作用機序
鎮痛薬が慢性痛に効かない原因
炎症以外の原因による痛みとは
痛みは我慢せず、薬を上手く利用してもらう
※掲載情報につきましては、細心の注意をはらって掲載しておりますが、その内容を保証するものではありません。何卒ご了承ください。
痛みの発生メカニズム
組織が損傷を受けると、細胞膜にあるリン脂質はアラキドン酸を遊離し、シクロオキシゲナーゼ(COX)の作用によって、炎症メディエーターであるプロスタグランジン(PG)が生成されます。
このPGは、侵入した菌などが拡大しないように炎症反応を起こし、痛み、熱、腫れなどの症状を引き起こします。PG自体の発痛作用は弱いのですが、PGと同様に組織損傷の際に発生する発痛物質ブラジキニンの作用を増強させます。
これらの侵害刺激を、高閾値機械受容器またはポリモーダル受容器で受け取り、神経伝達路を上行し中枢に伝わることで、「痛み」が知覚されています。
【関連コラム】「痛み」を伝導するC線維の触覚機能>>
【関連コラム】身体を守る「炎症」と「免疫」の関係>>
この記事は会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
登録すると続きをお読みいただけます。
既に会員登録をお済ませいただいている方は、
ログインページよりログインしてお進みくださいませ。
関連記事
-
患者さまに伝えたい健康情報
-
患者さまに伝えたい健康情報
-
患者さまに伝えたい健康情報
開催中のセミナー
-
2026.10.1 大阪
-
2029.2.7 Web
関連記事
-
2022.03.28身体を守る「炎症」と「免疫」の関係身体が痛みを感じる要因の一つとして、患部の「炎症」が挙げられます。「炎症」という言葉はよく知られており、赤く腫れたり熱を持ったりする症状であることは多くの人が理解しているでしょう。しかし、誰もが聞いたことのある言葉でも、「炎症」を起こす生体防御反応の仕組みを正しく理解している人は少ないのではないでしょうか。 患者の健康を守る職業に従事している者として、広義で「炎症」というものを考えてみましょう。
-
2022.09.16胃の役割は、吸収ではなく消化【物販奮闘記】前回の続きで、胃の解剖学・生理学のお話です。食道から繋がっている胃の入口部分を噴門、胃から十二指腸へと続く出口部分を幽門といいます。胃壁は、内側から粘膜、3つの筋層、一番外側の腹膜で覆われています。 胃粘膜にはヒダが形成されているので、伸びたり縮んだりすることができます。食べ物が胃の中に入ると、ひだが伸びて最大約3倍に膨らみます。今回は「胃液の分泌」について解説していきます。
-
2022.09.30感情を左右する腸 腸機能を左右する脳【物販奮闘記】特別に勉強をした方ではない限り、「腸」は身体にとって不要なものを便をとして排泄してくれる、くらいの認識しかありません。今回は、腸の神秘的な役割をお伝えしたいと思います。
会員数9,003人
アトラアカデミーに無料会員登録すると
-
法令など業界の
最新情報をGet! -
オリジナル動画が
見放題 -
実務に役立つ資料を
ダウンロード
処理時間:0.71699sec
使用メモリ:1.924MB
PHP Err (1)SQL Err (0)$Req (4)$View (32)$User (9)$Client (8)$_SERVER (193)SQL (37)CSS (0)JS (9)Extract Cache(4)None Extract Cache(1)
quarter 1.0
|
Null |
|
|